yshkn’s blog

島根に長期出張中の文系卒ITエンジニアの日常

トークバック 1 を読んだ

10点中8点

トークバック 1

トークバック 1

 

作曲少女作詞少女 の著者、仰木日向さんの小説。

作曲少女、作詞少女と同じような構図で、音楽をやっていこうとしている主人公にその何歩も何十歩も先をいっている同年代の女の子が教えてくれるといった話の流れだ。

 

ただ、前述の2作品と大きく異なるのは、主人公が男で、高校卒業した、20歳くらいのフリーターだということだ。(作曲少女と作詞少女の主人公は女子高生)

あまり違いはなさそうに感じるが、女子高生の主人公がダメダメでもそこまで気にせず読めるが、それがフリーターの男だと結構きついものがある。

 

もう一つ異なるのが、教えてくれる女の子も、まだ有名作曲家として成功しているわけではなく、プロの作曲家に弟子入りして、雑用をやりつつ勉強しているところだというところだ。

前述の2作品は主人公に天才女子高生が教えてくれるという構図自体は単純化しつつ、教えてくれる中身は本質的で、ためになることが多いと、評判だったが、やはりリアリティを求めるとすでにプロとして大活躍中でメディアからも引っ張りだこというのは現実味に欠けるということだろう。

しかし、常人離れしたストイックさの持ち主であることは間違いなく、プロの作曲家になるには、プロの作曲家に教えてもらうのが一番に違いないと思い、連絡を取りまくり、今の事務所へたどり着いている。

そしてその事務所で日中働いたあと、深夜のコンビニバイトで毎日働いている。

 

ストーリーは、作曲家目指して活動しつつ、コンビニバイトしている主人公が同じバイト先の作曲事務所でアシスタントしている女の子と知り合い、第一印象最悪で、軽蔑されながらも、色々と教えてもらいながら、成長していくという流れだ。

 

この著者の作品を読むのが3作目かつ、少しワンパターンなところがあるので正直先の展開が読めてしまったりするが、女の子の発言が中二病臭さがありながらも、自分にもぐっさり突き刺さるようなするどい発言が色々と考えさせてくれるいい作品だと感じた。

 

タイトルにも1と入っている通り、本書では完結しておらず、続きがまだまだあるようで早く読みたい。

ただ、自分が追っているほかの作品で、売り上げ等の原因で続きが出せるか危ういという話を聞いたものがあり、それもあって自分の中では少し優先順位を上げてブログを書いた。

本書がそういった状況にあるのかは全く知らないが、そういう状況にだけはならないことを願い、応援したい。

 

こんな弱小ブログでは何の影響力もないだろうが、全然別の人が2、3人進めているのを見て、これは確かに良さそうだと気になって買ったりすることが自分はあるので、どれだけ小さくても、意味はあるんじゃないかと思いたい。