少し株式投資を始めようと思い、参考書籍を探していると本書が名著として評価されていることが分かった。
読み始めているのだが、結構分厚く、僕の嫌いなハードカバーで知識もほとんどないので、読了までかなり時間がかかりそうだ。
これまでとは少し変えて、断片的な読書メモを書いていこうと思う。
初刷の発行が2005年で翻訳本なので2002~2004年ごろに書かれたと推測する。その頃の内容だということは頭に入れなくてはならないが、未だに評価されている本であることも間違いない。
序文~第一章 「成長の罠」
詳しくわからないが、短期の売買や最新のハイテク株への投資を批判しているよう。長期投資を進めている。
そして1950年から2003年までにアメリカの株市場がどのように推移したかの分析が始まる。
1950年にタイムトラベルできたとして、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーとIBMのどちらに投資をするかという質問が投げかけられる。
スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーは石油関係の1800年代からの超大企業だ。
IBMは1950年代ごろにコンピュータを開発し、1960年~1980年ごろまでハイテク業界で独占に近い状況で成長し、それ以降落ち目もあったが切り抜けて成長している。
IBMの方が1株当たり売上高でも1株当たり配当でも1株当たり利益でも1950年~2003年の間で大きく上回っている。
しかし、投資の利回りではスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーが上回っている。
年率14.42%と13.83%でどちらも超優秀銘柄かつ字面だけではあまり差がないように見えるが、53年間で24%IBMが下回っている。
その理由として挙げられているのがバリュエーション(株価評価)を示す指標だと言う。
大きな要因は配当利回りがスタンダードオイルの方が高く、配当の再投資でリターンが大きくなっている。
このような傾向は先の例だけではなく、1950年のアメリカ大企業上位50社で投資のリターンが最も大きかった上位4社は食品企業、タバコ企業、石油企業、清涼飲料水企業の4社であり、いずれも新しい産業ではない。
長期の運用成績と相関が強いものが配当利回りの高さとPERの低さでありIPO銘柄の長期投資成績はひどいありさまである。
高齢化が進む中、経済に悲観的な観測が色々とあるが、著者は世界経済はむしろより成長していくと予測している。そして、中国、インド、その他アジア諸国がどんどんと成長していく。しかし、成長の罠はここにも適用されるので、成長するからといって、投資のリターンがそれだけあるかというとそうではないと著者は言う。