仕事以外で話題になっている新海監督だが、正直それについてはどうでもよすぎる。
大好きな作品が多いので作品を作り続けていただけることを祈っている。
しかし、タイトル通りだが、個人的には「君の名は。」はあまり好きではない。
そのことについては以前にツイートしたことがある。
新海監督で好きな作品はほしのこえ、秒速、言の葉で、星を追う子どもと雲の向こうはあまり好きではない。後者はファンタジー的な謎の力が鍵を持っていて、ストーリーの展開が大きい感じの話だけど、そういうストーリー展開のセンスはあまり感じない
— たなか たろう(島根に長期出張中) (@grgrfrgf) 2016年8月29日
これこそが新海監督の魅力だと思っているので、後者の方向を感じる君の名はは求めてるのとは違うと感じた。まあ最初にも書いたけど完成度高いし、普通に面白いんだけどねw
— たなか たろう(島根に長期出張中) (@grgrfrgf) 2016年8月29日
僕が主張してる分類を図示すると下記の通りだ。
ファンタジー要素が強く 「謎の力」が物語の展開を握る |
奇跡みたいなことは ほとんど起こらず淡々と進む |
秒速5センチメートル |
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誤解しないでほしいのは別にアニメや映画すべてがファンタジーがだめでリアルなのが良いと言っているのではない。
あくまで新海監督に関しては、奇跡が起きて大きく展開が動くような作品よりもそうでない作品のほうが良さが出るように感じると言っている。
特に秒速と言の葉が大好きだ。
新海監督は結構説明的な表現が多くなってしまう傾向があると思っていて、現実の日本と異なる世界観だったりすると、そういうシーンが増えてしまう。
雲の向こうと星を追う子どもはまさにそれが当てはまる。
世界観としてはほしのこえも当てはまるが。
しかし、ほしのこえのSF的世界観は、
携帯メールの登場で、離ればなれといってもメッセージのやり取りは秒単位で行える世界で、その当たり前の外に出るためだけの設定であり、展開自体は二人の行動にゆだねられている。
君の名は。は世界観としては現実に近いのだが、入れ替わりについてや三葉の特殊な境遇、そしてお互いの暮らし、とやはり説明する項目が多い。
秒速も3つの章に分かれて時期も場所も違うし説明することが多いじゃないかと言われそうだが、基本的にタカキに関してのみの描写でそれも描写自体はどこにでもありそうなものばかりだ。
コスモナウトはカナエ視点が多いがそれも基本はタカキを描写するための手法だ。
言の葉はさらにすごくほぼすべてがタカオとユキノ、特にタカオの描写となっており説明的な描写は最も少ない。
新海監督の良さはとにかく細部までこだわりぬかれた細やかな描写である。
しかし、説明しなければいけないことが多いとどうしてもそれが薄れてしまう。
ツイートで上げたほどの名シーンをどうしても君の名は。では感じることができなかった。
もちろん人それぞれ感じ方は異なる。
実際、友達が僕の大好きな秒速や言の葉を観て「特に見せ場もなく終わって、これで終わり?って感じた」という意見も聞いた。
所詮一ファンの意見に過ぎず、正しい見方、絶対の基準などというものはない。
それでもこんな風に感じてるファンもいるんだというのは発信しておきたかった。