10点中9点
1日で読んでしまった。
もちろん分量が少なめで、小学生中学生でも読めるように平易に書いてあることが大きいが、内容が前回の章とつながりながら一つずつトピックがあり、興味深い話がちりばめられていることが一番の要因だと思う。
一番のターゲットは読書に苦手意識を持った小学生~高校生といったところだろう。
本当に手取り足取り根本から読書について教えてくれ、読書のハードルを下げに下げてくれる。
しかし読書に苦を感じない学生も社会人も、多くの人の固定観念を払拭したり、
単純にノウハウとしても勉強になったりする、みんなにお勧めできる一冊だと思う。
特に序盤が刺さった。
自分が作文、感想文がものすごく苦手で、「面白かったです。」しか中々書けない学生だったからだ。
読書感想文はまさに、通読はあまり苦がなくできるが、何を書けばいいかもわからないし、
内容も細かいことはほとんど抜け落ちているといった記憶しかない。
この本の序盤ではその問題への解答として、通読する必要はなく、一か所や数か所に着目して深く読んだり、
どこがおもしろかったのか?その直接回答へさらに深掘りする質問、その回答へさらに質問と質問を並べて、
それらの質問と自分なりの回答を構成すれば読書感想文ができるというかなり具体的な解決策を知ることができた。
次に、小説の読み方の解説をしてくれる。
かなり基本的な小説の読み方についてだが、基本的イコール誰でも知っているということではない、
小説をいくらか読んできた人ならほぼみんなが無意識に読み取っていることではあるが、
少なくとも自分はこのような解説を聞いたことはなく、解説自体は言われてみれば当たり前と思えることではあるが、
改めてわかりやすく説明されると意識して読むことができ、小説を読みたくなってくる。
具体的には小説は説明、場面(会話等)、描写がそれぞれ、速く読む、一緒に読む、立ち止まって読むといった形で、読む速度を制御しているということだ。
本の後半は色々な悩みや疑問、困りごとには本に頼ると良い、
頼るべき本を見つけるにはどうすればいいか?
ということで、図書館や辞典、書誌を活用するといいこと、
さらには、大人でも全然知らない人も多い、国立国会図書館が主体で展開しているサービスでの調べ方、青空文庫の活用方法等、本や本以外でも手掛かりとなる情報を集めるノウハウをかなりわかりやすく教えてくれる。
短時間で読めたこととたまたま余裕があったことで何とか放置していたブログに記事をアップできた。
まだ読書猿さんの独学大全も、千葉雅也さんの現代思想入門もセンスの哲学も、そしてライティングの哲学等々等々、ブログに書きたい本は他にもたくさんあるので、何とか改めて少しずつ執筆していきたい。